僕の(わたしの)生きる世界1[完]
そして、その後人々は、ユアン率いる騎士達によって、空いている家へと案内された。

キッチンも風呂もトイレもあり、ベットもちゃんとあった。

騎士達は、あちこちから物資を調達すると、洋服や食料など彼等に渡した。

そして、一人一人話を聞いて、職を紹介して行った。

ユアンは言った。

「良いですか?あなた方はポッサムからの客人です。しかし、ポッサムに戻れるまでは、生活をしなくてはなりません。そこはあなた方なら、大丈夫ですよね?」

「あの、騎士様は貴族では?」

「私は、確かにキーリ家の者で貴族ではあります。騎士も貴族が多いが、一般の出の者も多くいますよ?キーリの騎士は、街や村の安全とトラブル解決をしているだけです。皆が安全に暮らすお手伝いをしているだけです。キーリでは身分制はありませんからね?あなた方は、奴隷ではありませんよ?」

そうして、翌日にポッサムの人々は各自紹介された職場へと、恐る恐る赴くが。

帰宅すると、皆の表情が明るかった。

「今日、皿洗いで割ってしまったのよ。ポッサムでは、そうなったら炎で焼かれる所でしょ?だから、慌てて土下座して謝ったら、大丈夫?って言って怪我とか本気で心配してくださるのよ?皿なんてまた作るわよって、ビックリしたわよ!」

「こっちも、庭の修復で間違えてしまってよ。どんな罰受けるかと思ったら、普通に注意されただけで、それならば、間違えた現状を利用しようって、別なのに作り替えちまって、それがまた凄くてよ~。」

「ポッサムだと、貴族が歩いてたら、全員立ち止まって挨拶とか、私たちなんて一般人が歩く道すら歩けなかったじゃない?いつも、端を邪魔だと言われながら。」

「あぁ キーリは、全員が平等に歩いてるし、貴族に大袈裟な挨拶もしない。見知った貴族に、会釈位はしてたから、敬ってはいるんだろうなぁとは、思ったけど、貴族も挨拶されなくても気にもしていないし、一般人のように生活をしているよね!」

と、暫くこの話題が尽きることがなかった。
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