僕の(わたしの)生きる世界1[完]
ミハイルは、ステラの部屋にいると、どうしたら良いのか分からず、珍しく教員用の宿舎にいた。

天使は、人より睡眠の間隔が長いため、授業の用意がある時位しか、ここには来なかった。

ミハイルは、ステラの安全を気にかけ、常にステラの気を感じ取っていた。

相手の思いや行動は、意識をすれば読めるのだが、ミハイルは常に読んでいるわけではなかった。

全てを知ってしまいたいとは、思わなかった。

相手から、打ち明けて欲しいと思っていた。

先ほどのは、ちょっと強引だったか?

しかし、私はどうしてしまったのか?

ステラに抱きつかれ、恥ずかしさと共に、離したくないと思ってしまった。

だから、自らも抱き締めてしまった。

神に言えば、何て答えるだろう?

ステラは、人の子だ。

私は、敵が居なくなった際には、天界に戻る。

そうなったら、簡単に会いには来られない。

そうか…。これが愛なのですね?
それならば、その日が来るまで精一杯、私なりに愛しましょう。

ミハイルが、初めて愛を知った日だった。
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