僕の(わたしの)生きる世界１［完］
辺りが静かになると、オウレンの驚く声があった。

「何故、神に仕えしあなた様がここにいる？」

ミハイルは、光が治まったのを確認すると、ステラを名残惜しそうに開放する。


「私は、ステラの指導者としてここにいるのだ。オウレン殿、ご苦労であった。」

ミハイルの口調が、いつもとは違っている事に驚いた。

「ワレの契約者は、強き総帝の娘と言うだけでは無いと言うのか？」

「オウレン殿も分かっている筈。敵の力が巨大だと言うことを？」


オウレンの黄金の鱗が波打った。

オウレンは、髭を揺らし何やら考えを巡らす。

「まさか、この娘が敵を倒す存在だと？」


「オウレン殿。では、何故オウレン殿が召喚された？」

「この娘が強いからだ。ワレ等、他の世界の者がここに降りるには、神に許されるか、召喚されねば来ることが叶わぬ。」

「オウレン殿。ステラの魔力は現在7000を越えている。まだまだ上昇するでしょう。」

オウレンは、金色の瞳でステラを見た。

召喚の儀式から、更に2000も上昇したと言うのか？

普通の人の子では、あり得ない！

そんな表情だった。

《不思議な人の娘よ。無事か？》

その時、ステラに念話が届くと、上空を泳ぐように二頭のドラゴンがやって来た。

「えぇ！大丈夫よ？あなた達は？」

《も！？》

も？

きっと、問題無いと言おうとしたのだろう。

しかし、その前に黄金のドラゴンが目に入り、近づいてみれば、オウレンの姿がある。


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