僕の(わたしの)生きる世界1[完]
下位のドラゴンは、ドラゴンの世界に昇ることが出来ず、念話で時おり声が届くが、姿を見たことがあるものは居なかった。

しかし、オウレンの放つ魔力とその黄金の姿は、直ぐに長だと分かった。

《オウレン様!?で、ございますよね?》

ドラゴンの親子が降りると、直ぐにひれ伏した。

まるで、犬が伏せをして飼い主に撫でて欲しいというかのような体勢に、ステラは密かに萌えていた。

「お前達。ご苦労であった!」

オウレンがドラゴンの親子を褒めると、
親子の緑色の鱗が震えた。

その嬉しそうな親子の様子を見ていたステラが言った。

「オウレン?この世界にいるドラゴン達と、なかなか会えないのよね?是非ゆっくりしていくといいわ?ここなら、人々も来ないもの?」

「良いのか?」


《ま、まさか不思議な人の娘よ!オウレン様と召喚の契約を!?》

ドラゴン親子が驚く。

ステラは、ニッコリ頷くとミハイルと転移していった。


そのあと、各領土から敵を消滅し終わった、大量のドラゴン達が北の方へと移動していく姿が、人々に目撃された。


今回、結界の中に逃げ遅れた一部の人々がドラゴンに助けられたと言う話が多くあり、必然的にドラゴンは討伐の対象から外すことを国民全員が認めることとなり、
今後は保護の対象となったのであった。
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