僕の(わたしの)生きる世界1[完]
ーガーナレス国 オフワン地方ー

ガーナレス城より西に位置する、オフワン地方。


砂地が多いが、地下に水脈があり、要所要所に、オアシスがあり、人々はオアシスを中心に街や村を築いていた。


その中の、1つの村に少年はいた。

ある日、その村から、緊急依頼が届いた。

駆けつけたポーロは、村の惨状に目を伏せる。


「やぁめぇろぉぉお!」

村の端から聞こえてきた声。

ポーロが駆けつけると、そこには、土属性の魔法で、砂で盾を作り、更に水属性を加えて盾を強化し、防御をしつつ、炎の魔法で抵抗している子供と、サソリのような魔物がいた。

その光景に、ポーロは唖然とした。

幼い子供が、3つの属性を使っているのだ。

通常なら、そういった応用魔法は学園に通って、習うのである。

そもそも、魔力が少ない子供が、同時に魔力を使う事は、一気に魔力が無くなり、命の危険さえ伴う。


ポーロは、そこまでの思考に至ると、即座に子供の元へと移動した。

ポーロは、即座に光属性で結界を張る。

子供は、突然現れた大人にビックリし、魔法を解除した。

「大丈夫ですか?」

ポーロの問いに、頷くと子供は言った。

「そっかぁ。光属性で結界を張る方が丈夫だね!」

そう言って、ポーロの真似をする。


「お…。お前…。4属性使えるのですか?」

目の前の巨大なサソリ擬きを、思わず忘れそうになる。

「ううん?風と闇も使えるよ?」

ポーロは、耳を疑った。

(何だって?…。い、今…。あぁ 一先ず、このSランクの魔物を退治しましょうか…。)


「では、少年よ。魔力が大丈夫なようなら、そのまま結界を張っていてくれませんか?」

子供が頷くのを確認すると、ポーロはゴーレムを召還した。

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