僕の(わたしの)生きる世界1[完]
ステラとミハイルは、タケルの元に転移する。


タケルは、一人訓練していた。

総帝の訓練場は、ジェイクの時と変わらずに、皆が今でも活用していたのだ。


「タケル?」

「ど、どうした?」

激しい訓練をしていたのだろう。
肩で息をするタケルは、動きを止めてステラを見て言った。

「わたし、行ってくる。」

ステラが、強い眼差しで言った。

「何処に?」

「このまま、何もせずに待っていては、この世界は救われない。」

「敵の所に行くって言うのか?」

ステラが頷く。

「な、待てよ!何で一人で行こうとしてんだ?それなら、帝や特殊部隊チームも連れていけよ!」

ステラは、今度は黙って首を横に振った。

「わたしの魔力値、13000越えたの…。それでも、敵に勝てるか分からない…。でも、これ以上敵が力を持つ前に、行かなければ…。」


ステラの言葉に、黙りこんだタケルは悔しかった。

自分の弱さにも、何も助けになれないことも。

ハッキリと足手まといだと言われたのだから。

「分かった。…でも、ステラ!絶対帰って来い!いいか?これは、国王としての命令な?」

「タケル?わたしは、総帝よ?国王よりも、わたしの方が上だわ?」

ステラがそう言って、笑った。

「タケル?後はよろしくね?」

頷くタケルを見たステラは、転移しようとした。


「待って!」

そこに、ジェイクが現れた。
休憩所にでも居たのだろうか。

「ジェイク!」

「僕は、行かせたくない!君が自ら危険な場所にいくなんて!」

ジェイクは、しっかりとステラの右手を握った。

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