僕の(わたしの)生きる世界1[完]
ゴーレムの堅い身体は、魔物の腕のハサミすら弾いた。

その隙に、魔物の後方に回ると、魔物の尾を切り落とす。

腕のハサミを、ゴーレムが引きちぎると、
突如として巨大な岩が魔物に降りかかる。

気づけば、地面には大きな穴が開き、魔物は消えていた。


「終わりました。」

「流石!陸帝様!」

「…さて、あなたに聞きたいことがあります。」

「何?」

「本当に、風と闇も使えるのですか?」

ポーロの問いに、子供は風で砂を巻き上がらせた。

「闇はどうしても、上手くいかないから、使えるけど、使えないんだ…。」

その言葉にポーロは納得する。

闇属性は、ゴーストを操ったりするのだが、ゴーストを呼ぶ方法が分からないと不可能だし、その他にも、毒や睡眠薬を作ったりなども出来るが、それには知識をも要するからである。


「お前の名は?」

「ジェイク」

「親は?」

ポーロの問いにジェイクは、泣き出した。

そう、この村で唯一、ジェイクのみが生き残ったのだ。

「分かりました。わたしがジェイクの父親になりましょう。」

ポーロは、ジェイクを特殊部隊チームの本部の敷地内にある、自室に連れ帰った。

そして、ジェイクの魔力を測定して、
更に驚いた。

5才にして、魔力が1300を越えていたのであった。

ポーロは、悪用を怖れて、その事実を隠した。

ポーロは、陸帝の地位を返還して、執務長として、チームを切り盛りする傍ら、ジェイクの訓練を行った。




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