僕の(わたしの)生きる世界1[完]
大地に優しい風が吹く。

神が去り、静まり返った二人。

先に口を開いたのはステラだった。

「ミハイル…。ごめんなさい。まさか天界にそんなルールがあるなんて。嫌なら離婚しましょう?」

「ステラ。天界の誓いは固い。離婚する時は、どちらかが消える時なのです。天界の婚姻とは、命を結ぶ事に近いのです。離婚する事は、どちらかの命が無くなるとき。だけど、寿命がない天界の者にとっては…。」

「まさに永遠の愛…。」

「ですから、天界の者は愛を囁きあっても、触れ合う事は滅多にない。触れ合う事はあっても、愛を囁き合うことは滅多にない。」


ミハイルが、ステラに向かう。

「ステラが嫌なら、この国のルールで他の者と婚姻し、充分に生きることも可能です。」

「ャ…イヤ!わたしは、ミハイルじゃなきゃイヤよ!」

目にはまた涙が浮かぶ。

ミハイルは、そんなステラを真剣な表情で見つめると言った。

「ステラ。私は、ステラを愛しています。私の妻になってくれますか?」

ステラは、大きく頷きながらミハイルの胸に飛び込んだ。

「ミハイル…。わたしも愛してる。ずっと前から、愛してるの…ミハイルが死んじゃうかと思ったとき本当に辛かった!」

「私も、ずっと前から愛しています。辛い訓練や戦いをさせて、申し訳なかった。」

「これからは、ずっと一緒ね?」

「えぇ 絶対に離しませんよ?覚悟は良いですね?」

ミハイルの言葉にステラが顔を見上げると、優しい笑顔があった。

そして、二人は二度目のキスをした。
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