僕の(わたしの)生きる世界1[完]
この峠は、西のオフワン地方へと続く何ルートかのうちの1つ。


先日の大雨で、崩れたのであろう。


「妖精の皆さん?この岩や土をどかすのを、手伝ってくれる?」


ステラがそう言うと、峠にいた無数の妖精が、土や石を邪魔にならない場所へと運んでいく。

ステラは最後に、細かい土を風魔法で飛ばすと、道は綺麗になった。


「皆さん、ありがとう」

ステラは、掌に小さな淡く白い光の粒を出した。

そして、その粒を辺り一面にばら撒いた。


妖精達にその光の粒が当たると、一瞬光った後、妖精に取り込まれるかのように、消える。

一通り撒き終えると。

「わたし、戻るわね?」


と、元居た樹木の上に転移した。

その後、オフワン領土と行き来する者から、峠を通ると何だか、とても清々しい気分になる。と言う噂が街の酒場で、ささやかれた。
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