WOLF-孤独のその先-



「お店戻るなら一人で帰ったのに」




「こんな不良娘、一人で返せるかよ」




不良娘って…




どこか楽しげに笑うキョウヤは、最近ではよく笑ってくれるようになったと思う。




初めの印象なんて最悪で、いつだって血だらけだし喧嘩ばかりだし目つきは鋭いし。




今思うとあんなに遠くで見つめていたキョウヤが隣でこうして毎日一緒にいることがとても不思議に思える。




「誕生日、もうすぐだね」



あと2週間でキョウヤの誕生日




「あぁ」



誕生日と言った私に遠くを見つめているキョウヤは何を考えてるかは分からない。



だけどそのグレーの瞳は少し光を消したように見えた。




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