WOLF-孤独のその先-



「誕生日プレゼント、何が欲しい?」




「…は?」




いや、だから「は?」じゃなくて




「誕生日プレゼントだって」




「…………」



さっきのキョウヤとは違い今は少し驚いたような反応をする




「欲しいものないの?」




欲しい物を言ってくれないと困る。だって男の人にプレゼントなんて買った事がないから何を買えばいいのかさっぱりだ




「いらねェよ」



もしバイト代が入ったら一番にキョウヤに誕生日プレゼントを買おうと思っていた。いつもお世話になってばかりだったから、だからキョウヤの答えは私にしたら予想外で




「え?いらないの?」




「あぁ、別にめでたくも何でもねェしな」




そう言ったキョウヤはやはりどこか儚げに見えて




「だから気にすんな」



苦しそうに見えた。



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