WOLF-孤独のその先-
目の前のソウは明らかにマジギレしてらっしゃる…
「ケーキ買いに来たんだってさ」
そうあっさりと答えたのは私の隣にいた梶君。
「ケーキだって?」
その視線はもちろん私を鋭く捉えて離してはくれない。
梶君ダメだってば!そんな事ソウに言ったら嘘付いてるのバレバレなんだから!
ソウは知ってる、私がクリスマスに全く興味ないこと。ましてやクリスマスケーキなんて買うような浮かれた奴じゃないって分かってる。
だからこの嘘はソウにとったら完全なるバレバレな嘘で、私がクリスマスケーキを買いに来たわけじゃない事はソウからしたら一目瞭然だった。