WOLF-孤独のその先-



「そんな怒らなくても良いじゃん…」




ついポロリと呟いてしまった私に




「おい、聞こえてんぞ」




そりゃあ小さくだけど聞こえるように言ったんだもん




「まだそんな夜遅くないじゃんか…」





「何だ、そんなに俺に怒られたいわけ」




「いや、違うよ!怒られたくない!ソウこわい!やだ!オニ!」




「ナオ、お前いい加減にしろよ」




「オニ!ソウのオニ!」



珍しくギャーギャーと騒ぐ私にソウは眉間にシワを寄せながら私に近付こうとしてきた時




「ぶっ」



え?



「はっはっはっは!」



私の笑い声じゃない、そしてソウの笑い声でもない。聞こえてきたのはさきほどまで一言も喋ってはこなかった運転席から


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