WOLF-孤独のその先-
「大丈夫だろ、今まで休みなしで働いてたんだ。文句なんて言わせねェよ」
やっぱりさっきの電話は仕事の電話で、キョウヤは無理矢理切ったんだ。
そして引いたままの手をぎゅっと握りしめて私を視界に捉える
「…ナオ」
「…うん?」
「会いたかった」
もうダメ、本当に心臓が潰れそう。
キョウヤに握られてる手がやたらと熱を帯びて引きつる。
「…私も」
グレーの瞳を見るとやっぱりその瞳は甘く細められていて
「…キョウヤに会いたかった」
私を優しく見つめてくれる。