WOLF-孤独のその先-
「夜飯食ったか?」
「まだ」
キョウヤは立ち上がるとキッチンへと向かって行く。
「何にもねェな」
冷蔵庫を開けたのかそんな呟きが遠くから聞こえてきて
「今からじゃ店なんかやってねェし、コンビニ行くか?」
え、でもキョウヤは敵が多くてそんな簡単に外出なんて出来ないんじゃないの?
そんな私の心を察してか
「コンビニなんて歩いて五分だ、そのくらいなら平気だろ」
そうなの…そういうものなの?
私にはキョウヤの普段の生活をしらないから、何がダメで何がオッケーなのか。
どのラインからはセーフでどのラインからはアウトなのか、全く分からない。
「着替えてくるから待ってろ」
そう言いってキョウヤはさっさと寝室へと入って行ってしまった。