WOLF-孤独のその先-



私はハッキリ言って食に対して執着がない。




それは子供の頃からそうだった。






いつも家には居ない母、小学生の私が何にも知らないまま料理なんかしようと思うはずも無く、いつも食パンやコンビニのおにぎりばかりを食べていた。



きっと私は母の料理をする姿を見たことがない…




母の手料理を食べた事なんて無い。





手料理を食べると言えば、ソウのお母さんに作ってもらった時くらいだ。




いつも手料理を食べているソウを羨ましいと思った事もある。だけど私は子供でありながらもどこか諦めていたんだと思う…



母が私のために料理をしてくれるなんて希望を持った事なんてなかった。




そしてそれはいつのまにか食への意識を遠ざけていった。




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