WOLF-孤独のその先-



「はい、行けますよ」




『悪いな!じゃあいつもの時間でよろしくね』




「了解です」





そう言って切った携帯を見ながら思う。
そういえばソウに今日は繁華街へ行くなと言われたんだ…




だけどバイトに行くだけだし、すぐそこだし…大丈夫だよね。





ソウには一応メールを入れとこう。




[繁華街に用事があって行くけど、すぐに帰るから心配しないでね]と送って携帯を閉じる。




バイトの準備をしようと部屋から出るとその目の前の光景に思わず足を止めた。





「お母さん…」




音もしないから全く気がつかなかった。
いつ帰ってきたのか、分からない。
むしろ私のいる時間に帰ってくる事なんてここ数年ではほとんどなかったはずなのに





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