WOLF-孤独のその先-



「ちょっと話があるから来てちょうだい」





そう言って前を歩いて行くお母さんに続いてリビングに入ると





「こんにちは君がナオちゃんだね。僕は北山と言います」





目の前には40歳ほどの男の人



黒縁眼鏡に高身長。まるでどこかのエリートサラリーマンのような男性。





誰…?






「以前から君のお母さんとお付き合いさせて頂いてます」





何故だかドクンと大きく心臓の音が大きく響いた。胸の底からまるで突き上げられたかのような鈍い痛み。





「ナオ、私達結婚する事にしたの」





なんとなく本当は分かってたのかもしれない。





いつかこんな日が来ることを。






「だからあなたには、今月から一人暮らしをしてもらいたいんだけど良い?」





分かってたのかもしれない…







いつか、本当のひとりぼっちになる日が来ることを………





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