WOLF-孤独のその先-
お母さん達が話している内容は理解しているはずなのに、何故だか遠い世界のように感じた。
孤独
まさにこの言葉が尽きるほどに…
「うん…わかった」
カラカラになってしまった喉からは、そんな少ない言葉しか出てこなくて
「ありがとう」
そう言ったお母さんの少し嬉しそうな顔を見た時に、私は今までずっとお母さんを縛り付けてきていたのかもしれないと感じた。
まだ若い母、私がいる事で母をどこか狭い空間に閉じ込めていたのかもしれない。
母親だろうが何だろうが、第二の人生があったって不思議じゃない。
物心ついた頃から居なかった父、私にはちゃんとお母さんを見送ってあげる義務があるんだ。
お母さんだって幸せになる資格があるんだから。