WOLF-孤独のその先-
「本当は寂しい…」
それはすごく小さな声だった。
儚くて消えてしまいそうなほど…
「いつもどこかでお母さんを待ってた…」
それがたとえ私のいない時に帰って来ていたとしても、
「時々家に帰って来てくれるお母さんに安心してた」
私はまだ一人じゃないって、そう思えたから。
でもきっと一人暮らしをしたらそれは変わる。
「今の家で一人でいるのと…一人暮らしじゃまるで意味が違う…」
もう家にお母さんは帰ってこない。
どんなに待っても一人暮らしの家に帰ってくる人はいない。