WOLF-孤独のその先-
「お母さんに幸せになって欲しいと思ってる。でも、寂しいって…そんな私の気持ちを…どこかでお母さんに知ってほしかったんだと思う」
私を見ててほしかった。
たとえ時々しか会えないとしても、
ずっと側にいたかった。
「ナオ」
隣に座っていたキョウヤが私を抱きしめ力を込める。
その体温に、その鼓動に胸がギュっとする。
あぁ、私は一人じゃないんだって
キョウヤが居てくれるんだって。
この瞬間、心の奥深くでそう思った。