WOLF-孤独のその先-
夜の街
「ぐわあぁぁぁッ!!!」
誰かの叫び声
物が散乱する音
野次馬達の群れ
その先に見えるのは
長身で少しガッチリとした体型に
漆黒の短めの髪
鋭く切れ長の瞳に驚くくらい整った顔立ちの男
その表情は崩されることなく拳は血で染まっている。
彼の名前は“キョウヤ”
名字は知らない、その名前だって最近知ったくらいだ。
しかも偶然近くの女の子がそう呼んでたのが聞こえてきただけ。
この繁華街で彼が喧嘩をしているのを何度見ただろう
覚えてない、むしろ多すぎて数えようとも思わない。