WOLF-孤独のその先-



『俺はお前に会いたい』




「え…」




『こんな気持ち初めてなんだよ、どうしてくれんだ。少し会ってないだけでまたすぐお前に会いたくなる』





それはどこか面白そうに、私をもて遊ぶかのように甘く言葉を吐き捨てる。





『それなのにお前は嘘なのか?俺に会いたくねェのかよ』




「……」




『会いたくねェなら仕方ないか、俺一人でこんな事言ってても意味ないよな』




少し悲しげに発せられた声に思わず少し大きな声で




「ち、違う!会いたいよ!」




『ふっ』





受話器から聞こえてきた小さな笑み。




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