WOLF-孤独のその先-
恋する乙女なんてガラじゃないけど、きっと今の私はまさにそれなんだと思う。
好きな人なんて出来ると思ってなかったし、自分が恋をする日が来るなんて思ってもなかった。
誰がカッコイイとかあの人が人気とか、そんな事を噂する人達をバカにしていた事すらあるのに。
こんなにも誰か一人に夢中になっている自分、キョウヤしか見れなくなっている私、今なら彼女達の気持ちが分かるかもしれない。
「どうぞ」
「おじゃまします」
私に続いてリビングに入ってきたキョウヤは、スーツの上着を脱ぐとそのままネクタイを緩める。
なんて絵になる男なんだろう…
「あ、お風呂入る?」
再びドキドキと鳴り出した胸を押さえるように話しかける
「あぁ」
「今日泊まるよね?」
「お前が良いなら」
「う、うん!もちろん」