WOLF-孤独のその先-

「パジャマはある？」




「無い」




「あ、じゃあちょっと待ってて」





急いでお母さんの部屋に行くとクローゼットを開ける。

よく母は昔男の人を泊めていたから多分スウェットの一枚や二枚くらいあるはず。




「あ！やっぱりあったあった、しかも新品」




こんな物をキョウヤに着せるのは気が引けるし申し訳ないけど、スーツのままいるのは嫌だろうし仕方ない





「これ新品だから着て」





黒のスウェットズボンと白のティーシャツを手渡すとキョウヤは少し眉間にシワを寄せる。





「これ男物だぞ」




いや、そりゃそうですよ。私のじゃさすがに着れないでしょ