WOLF-孤独のその先-
チヒロさんはキャーキャー言っている女の子達の方にチラリと視線を向けると口を開いた。
「ナオちゃんはヤキモチ妬いてるんだよ」
や…ヤキモチ…
自分でもこの感情の名前をまだ分かっていなかったんだと気がつく。
これが…ヤキモチなんだ…
チヒロさんに言われ理解した瞬間一気に何故だか羞恥心が湧いてくる。
「彼女はナオちゃんなのに、他の女にあんな騒がれてたら嫌に決まってるだろ」
そのチヒロさんの言葉に「そうなのか?」と少し驚いた様子のキョウヤに聞かれて、自分自身気が付いてしまった感情には嘘を付けずうなずく。
「言え」
「え?」
「そういう事は言え」
「……でも」