WOLF-孤独のその先-
マンションにもうすぐ着く。そんな時
「あれソウじゃね?」
ケイゴがポケットに手を突っ込みながらそんな事を言ってくる。
え?ソウ?
そんなはずない。だって私たちは喧嘩してるんだから…
すぐにマンションへと視線を向けると、そこにはエントランス前で携帯をいじってるソウの姿。
「え?え?何で?」
「僕が呼んだんだよ」
ニッコリ笑った梶君は「いい加減仲直りしないと」と言って軽く背中を押してくれる。
「うん!」
駆け出す足取りは凄く軽い。
「ソウ!!」
ソウに向かって走る、それに気が付いたソウが私の方に振り向いた。
何日かぶりのソウに、ソウのあの日の表情を思い出して目頭が少し熱くなる。
それは私にとってソウはやっぱり特別で
かけがえのない存在なんだと改めて思い知る。