WOLF-孤独のその先-
そっちへ視線を向けるとそこには銀髪の男。
その姿は特攻服というものを身にまとっており、とても不思議な雰囲気を醸し出していた。
冷たくて…今にも凍り付いてしまいそうな目。
それはやはりこの世界に生きてる人独特のオーラがあって、聞かなくてもこの人がこのチームの長だと言うことは分かる。
その凍り付きそうな視線にまるで私の身体はピクリとも動かなくて
「……ナオ…?」
まさに唖然という言葉がピッタリなほど驚いたソウの顔を見て私はやっと我に返った。
「ソウ!」
唖然としていたソウは、私が名前を呼ぶとハッとしたような表情をし次の瞬間には走り出す。
多分、私とソウの距離は10メートルほど。
ソウの姿は口が切れて血が出ているものの、特に大きな怪我をしているようには見えない。
私もソウの所へ駆け出そうと一歩目を踏み出したところで
「きゃっ!」
力強く引かれた腕。ぐらりと大きく揺れた身体が誰かによって乱暴に抱きとめられる。