WOLF-孤独のその先-
ガンッ!!
物凄い衝撃と振動が身体に響いてきて。
でも…そのはずなのに、何故か何処も痛くない。
思い切りつぶっていた目を開くと、思わずその光景に目を見開いた。
「俺の女に手出すなんて良い度胸だ」
目の前にはキョウヤ。
捕まっていた私の身体を銀髪からいつの間にか引き離し軽々と抱え上げたキョウヤだった。
「キョウ…ヤ…」
「ナオ、もう大丈夫だ」そう言って私に優しく笑いかけると再び銀髪へと視線を移す。
その姿は怒りに満ち、そして低く唸り声を上げた。
「覚悟は出来てるんだろうな」
倉庫にはこれだけの人数がいるというのにキョウヤの声だけが響き、あたりは静けさを増す。
「如月…キョウヤ」
銀髪がそう名を口にした瞬間当たりが一斉にザワつく。
「何で本職がこんなとこに…」だとか「まぢかよやべぇぞ」なんて会話が聞こえてくる。