WOLF-孤独のその先-



キョウヤに肩を抱かれ向かう先はもちろんソウの所。






「…ナオ」





梶君やいつもの空き教室にいるメンバーに囲まれるようにして立ってるソウはやっぱり総長なんだと再確認させる。




「行ってこい」そう言ってキョウヤは肩を離すと少し離れた所で立ち止まり、私はソウの元へと駆け寄った。





「ソウ!!」





ソウに身体を強く抱きしめられ、私もソウの存在を確認するかのように背中へと手を回す。





「怪我、無いか…」




「うん」




「巻き込んでごめんな」





「ううん」





違う。ソウが巻き込んだんじゃない。私が勝手にしたことだ。それなのにソウはやっぱり辛そうな表情をして私を見つめてくる。




「ナオが無事で良かった」




そう言って困ったように笑ったソウを見た瞬間、さっき引っ込んだはずの涙がまた溢れ出した。






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