WOLF-孤独のその先-
その後キョウヤとソウは何やら難しい話をしていて、隣にいたチヒロさんに聞くと影龍會をどうするか話し合っているんだと教えてくれた。
普段ヤクザは暴走族に手を出さないんだけど、キョウヤの彼女である私が関わっている事により後処理をどうするか話し合う必要があるらしい。
つまり結局私は最初から最後までただ迷惑を被っただけ…
結局どっちが影龍會の後処理をしたのかは知らないけど、もうあの人達が何かをしてくることは絶対にないそうだ。
そして帰る間際。キョウヤがチヒロさんと業務的な事を話している時、ソウに呼ばれて駆け寄ると
「ナオの言った通りだったな」
「ん?」
口元の血をぬぐいながら話し出すソウ
「あの人本当に助けにきた。きっと何処にいてもお前を助けに来るんだろうな」
それはきっとソウと喧嘩をした時の話の続き。
「認めてやるよ」
「え?」
「如月さんとお前の事、認めてやる」
ソウはポンっと私の頭に手をのせると口角を上げて小さく笑う。