WOLF-孤独のその先-



午後になって一通メールが来た。



授業中にもかかわらず慌ててみたそのメールはケイゴからで【ちゃんと勉強してるか?】なんていうどうでもいい内容だった。





でも、多分ケイゴなりに気を使ったくれているんだと思う。昨日もそうだった。




実はケイゴって見た目とかチャラけた雰囲気とは違って何気にすごい優しいんだよね。




いつもちゃんとノートはとるものの、あまり先生の話を聞いていない私はちゃんと勉強しているのかと言われると曖昧で




とりあえずケイゴには【そこそこやってるよ】とこれまた適当に返したら【バカなんだからちゃんと勉強しとけよ】なんて返事が来たからカチンときてもう返信は返さなかった。





多分、てか絶対ケイゴだって学生の時ろくに勉強してなかったくせに…もし真面目だったらあんなオレンジ頭なわけないし。





ホームルームが終わってソウと昇降口に向かって歩いていると、廊下でも下駄箱でもものすごいたくさんの人たちに見られた。





まぁいつもそうなんだけど…いつにも増してさらに。





その原因はすぐに分かって。やっぱりため息が漏れ出る。





「きゃーソウ先輩めっちゃカッコイイ!」




「あれが白夜月の総長か!やっぱオーラはんぱねぇ!」





「隣の人彼女かなぁ?」




こんな声が数々と聞こえてくる。




四月になった事により入学してきた新入生達の視線で私の身体中には穴があきそうなくらい見られていた。





噂によるとソウや白夜月に憧れてこの学校に入学した子達もたくさんいるんだとか…





もうここまできたらソウって本当に芸能人レベルだ…





< 511 / 567 >

この作品をシェア

pagetop