WOLF-孤独のその先-




「平気だよ。それにちゃんと元気だし」





この間ケイゴに言われた事を思い出して心配させないようにそう言ったのに







「どこがだよ」






ケイゴは面倒くさそうに首を傾けると私に呆れため息を落とす。





バリバリ元気ってわけじゃないけど、元気が無いわけでもない。





一人になるとキョウヤから何の連絡もない事が気になるけど、ソウとかと倉庫にいる時間はそれを忘れる事が出来るから。





「とにかく迎えに来るからな。お前に話したい事もあるし」





話したい事…?


いきなり真剣な表情をしたケイゴは「迎え行くときメールする」とそう言って助手席の窓を閉めるとさっさと行ってしまった。




「ケイさんお前に随分過保護なんだな」




「そんな事ないよ。仕事だからだよ」




「そうか?あんな協力的で優しいケイさん見たことないぞ」





「そうなの?」




「あぁ、白夜の鬼って呼ばれてたくらいだからな」





ソウは何か思い出すように少し笑うと再び歩き出した。




白夜の鬼。ケイゴが鬼。



なんかそんなイメージ無いかも。




でもきっと強くなきゃ総長に選ばれる事もないし、私の護衛になる事もないだろうから強いんだろう。



それにしても鬼が護衛さんだなんて怖いもの何てないなと思って少し笑えた。




< 518 / 567 >

この作品をシェア

pagetop