WOLF-孤独のその先-

もしも、物事全てに理由があるとするならば…




これは一体どんな理由があるのだろう……














いつものように完璧に着こなされたスーツ姿のキョウヤ。


そして…その隣には可愛らしい女性がいた。






長い黒髪にきめ細やかな白い肌。

小さな顔によく似合うピンクのリップ。






キョウヤの腕に絡められた細い手は、とても華奢で守ってあげたくなるような女の人。







不覚にも凄くお似合いだと思ってしまった…


私なんかとは似ても似つかないほど大人で可愛いらしくて…






まるで時が止まったみたいにその光景を見ていた。







その瞬間、良いのか悪いのか…こちらに気が付いたキョウヤと視線が絡まり合う。






その表情は一瞬驚いたように大きく目が見開かれ






そして……






「キョウヤ様、どうしました？」






キョウヤの名前を呼ぶ優しい声にハッとしたように元の表情へ戻った。