WOLF-孤独のその先-
「うん、じゃあ行こう」と優しく頭を撫で笑ったチヒロさんと「やっと言いやがった」と呆れ笑いするケイゴに、きっと私は一生感謝してもしきれない。
「ナオ」
涙を拭い、声のした方へと振り返るとそこにはソウが立っていて
「しっかり自分の気持ち伝えてこい」
「うん!!」
私はいつも、周りの人に支えてもらって生きている。
きっとそれは皆んなそうで、日常では分からない事。
何かあった時側にいてくれる幼馴染がいて
辛い時支えてくれる友達がいる。
いつもどんな時でも不意にある幸せは気付きにくくて分かりにくい。
だからこそ毎日一緒にいてくれる人に感謝しないといけない。いつもありがとうって。
「行ってくる!」
私は一つの思いを抱え…
ソウに手を振ると、チヒロさんとケイゴに続いてあの懐かしき黒塗りの車へと乗り込んだ。