WOLF-孤独のその先-
「ねぇ君、いつもここにいるよね」
大通り脇にある自販機の横、そこにある小さな花壇に腰掛けた私
そこが私の定位置だった。
別にそこに意味を持っているわけじゃない、人と連むのはあんまり好きじゃないけど、静かで人が居ないところは嫌いだ
だから誰にも迷惑をかけず、なおかつ人が常にいると所を探したら偶然ここだっただけ。
繁華街の大通り脇の自販機の横
多分終電までの時間私はほとんど毎日ここにいると思う。
目の前の金髪で明らかにチャラそうな男は、そんな私に目線を合わせるようにして屈み込みながらそう言った。
へぇ、私がいつもここに居ること知ってたんだ。
ここにいると時々こうやって声をかけて来る男がいる。
それはこの夜の繁華街では特段珍しい事なんかじゃない、良く見る光景