WOLF-孤独のその先-



その後はチヒロさんやスグルさんと話しながら一時間ほどBARにいて、その間キョウヤはほとんど喋ること無く黙々とお酒を飲んでいた。




「ナオちゃんまた来てね」




そう笑顔で言ってくるチヒロさんに、高校生だからこんな所一人じゃ来れないと思いながらも笑顔で手を振っていると





いつの間にか会計を済ませていたキョウヤ





「あの…お金」




「いらねェ」




「でも」




今は持ってないけれど、あと一週間もしたらきっとまた母がお金を置きに来るはずだ





「いい、気にするな」




「すいません、ありがとうございます…」



でもきっともう会うこともないと思うし、お金を返すチャンスも無いか…そう思って素直にお礼を言うと「あぁ」と低く響く声を出した



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