我追う者は去り。

よく見れば、妹の手には「中3 理科」の
ワークが握られていた。



「ふむ、理科なら得意だ。」

「もういい。」

「なに?せっかく我の時間を削ってやると言うのに。」

「…話し方キモイからやめて。」




全く、なんなんだこの妹は。
支配下にしていたはずが、上からとは。


なかなかにして難しいことよ。


「教えてやる変わり、我の支配下…」

「キモっ!」

バンッ!!


凄まじい音で、基地の門を締めやがった。
難しい奴だ、後回しにしよう。
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