我追う者は去り。







数分後───






ベットに横になり、また天井を見上げていた時。
バイブレーションと共に唸るスマホに目を向けた。


どうやら、着信のようだ。
ど奴からだと、確認すると


“雄輔”


の文字が。
電話か?


…すこし、手が震えた。
我、何をしている。


さぁ早く取れ!



さっ、とスマホを取りポチ、とおして耳元にやる。




「も、もしも、もし。」

明らかに震えた声。
何にせよ、4ヶ月ぶりだ。

コミュニケーションが衰えている。



『ははは!震えすぎだろ!』


あちらから、笑い声が聞こえた。
でも悪気なく純粋な笑い声だ。


「ど、どうしたんだ」

『こっちのセリフだ!明日学校来るのか!?
何の気晴らしだ。』


「そんなに、驚かなくても良いだろ。」


『いや、驚くよ。
とにかく明日待ってるからな。』


「お、おう。
…そ、それだけか?」


『あ?うん。確かめたくて。』


「…ふむ。」


『…じゃあ、また。』



「あ、おう。」

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