恋愛シュガー
キキイィィ―……
その音と共に急停車する電車。そのせいであたしはまたこけそうになる。
ついてないな。なんて思いながら諦めかけていたその時、腰のあたりになにか違和感を感じた。
その瞬間、軽々と持ち上げられるあたしの体。
「大丈夫?」
「あ、はい!すいませ…」
顔を上げた瞬間、あたしは口をパクパクさせながら彼を見た。
あたしを助けてくれたのは、ずっと会いたいと思っていた彼だったのだ。
もう会えないかもしれないと思っていただけに信じられなかった。
「前も助けた…よね?」
調った眉毛。綺麗伸びる睫毛。光に反射するはちみつ色の彼の髪は透き通っていて本当に綺麗だった。
それだけじゃない…
ぱっちりとした二重の彼の目。
…かっこいい。
あたしの予想通り彼は最高にかっこいい人だった。