恋愛シュガー
「桐生隼人です。よろしく。」
彼がそう呟いた瞬間、クラスは黄色い歓声でいっぱいになった。
あたしはゆっくり顔を上げ転校生が立っているであろう教卓を見る。
そこには見覚えのあるはちみつ色の髪型。
そしてあの笑顔…
間違いない。あれはきっと…
「王…「隼人?!」
あたしが言うより先に誰かと声が被った。
ふと前を見るとあの冷静な美穂が大声を出しながら王子の名前を呼ぶ。
「美穂。」
そんな美穂に答えるかのように王子は美穂の名前を呼んだ。
「おっ!知り合いか?ちょうど隣の席も空いてるし座れよ。」
美穂はあたしの前の席。
あたしはなんとなく顔を見られたくなくて顔を伏せた。