恋愛シュガー
「んー…気分?人間そういうトキってあんじゃん?」
王子はそう言って席を立ってどこかに消えてしまった。
まるでここから逃げるかのように…
「ったく。隼人の奴なに考えてんのよ」
美穂はあたしの机に肘をついて廊下の方をジッと見つめていた。
そんな心配そうな美穂を横目にあたしは美穂とは正反対のことを考えていた。
…王子と同じ学校ってことはもしかしたら一緒に帰れるかもしれないってこと?!
ある日の放課後、一人で残ってサッカーを一生懸命する王子。
…あたしは王子専用の真っ白なタオルを片手に持ってそんな王子を応援するの…
時折見せる眩しい笑顔を見ながら…
「きゃー//!」
「うるさい!(怒)」
すっかり妄想に浸っていたあたしはいつの間にか夢中になっていた。
案の定美穂にしかられ、チョップを頭にくらった。