恋愛シュガー


「ごめんなさい!王子…でも、先に帰ってても良かったのに。」


「ひなたちゃんにさどうしてもお疲れ様って言いたかったんだ」



そんな話をしながら学校の坂道を歩く。


相変わらずあたしに合わせて歩いてくれる王子。


そんな小さな優しさが嬉しくて思わず頬が緩む。



「ありがとうございました!王子のおかげで頑張れました。」


「またなんかあったら言ってね。力になるよ」


「優しいですね。」


「だって友達だろ?俺たち」


   ゛友だち゛



そんな言葉があたしの胸に突き刺さる。


普通ならここで喜ぶべきところなんだけどあたしはそんな余裕はなかった。


王子にとってあたしはただの友だち…


頭を撫でることもあたしに優しくするとこも可愛いって言ってくれた言葉も…



特に深い意味はない。




そんなの分かってるのに。



どうしてこんなに苦しいの…?



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