恋愛シュガー


そして約束の土曜日。
あたしは軽くおしゃれをして家を後にした。


あまり張り切ってしまうと自分の気持ちがバレてしまいそうで怖かったから。


それに、美穂にからかわれそうな気がしたあたしは軽くおしゃれをする程度にしたんだ。



「王子~!」



駅前にはすでに王子はもう来ていてポケットに手を入れながら退屈そうに待っていた。


図書館で待ち合わせした時もそう思ったけど、どうしていつもこんなに人でいっぱいになるんだろう‥


相変わらず王子の周りは女の子でいっぱい。



王子モテすぎだよ…。



「ひなたちゃん!」



あたしに気付いた王子が手を大きく振りながら女子の間を通り抜けてあたしの元へ走ってきてくれる。


たったそれだけなのにくすぐったいような…そんな気持ちになるんだ。



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