恋愛シュガー



「日誌…書かなきゃ。」



ぼーっとしてから何分経ったんだろう。


あたしは頭の中で一生懸命回転をさせてシャーペンを軽く握ると日誌を書き始めた。


ふと時計を見れば短い針が5時を指していてあたしは日誌を急いで書き終え帰る準備をした。



グラウンドにはもう誰もいなくて


いつも溜まり場となっている下駄箱は虫の鳴き声さえ聞こえない…



そんな校舎を不気味に思いつつもあたしは学校の坂をいつものように歩く。



いつもと変わらないはずの帰り道。



だけど今日は鼻歌を歌う気分にはなれなかった。


王子を想うことも忘れてあたしはさっきのことを考えていた。



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