恋愛シュガー
ゆっくり顔を上げるとそこには少し息を切らせた王子がいた。
片手には見慣れた黒い鞄と見慣れた制服。
この坂を登ってるということは学校に向かってる最中?
そんなことを思いながら後ろを振り返る。
「ちょっと忘れ物しちゃってね。あ!ちょっと待っててよ。一緒に帰ろ?」
「うん。」
あたしが頷いたのを確認すると学校に向かって走っていってしまった。
あたしはそんな王子の後ろ姿を見つめる。
それから数分して王子は戻ってきた。
「ゴメンゴメン。じゃあ行こっか。」