約束は永遠に
「もう、大丈夫。・・・落ち着いた」

「サーシャ、あいつが言っていたリリィってなんだ?お前はサーシャって名前じゃないのか?」

サーシャはリムから視線を逸らす。

「今は何も聞かないで。・・・何も話したくないの」

サーシャは俯くと何も話さなくなる。
自分の事を頑なに話そうとしないサーシャに、リムは苛立ちを覚える。

「そうやって、お前はいつも一人で抱え込もうとする・・・!なぜ俺には何も話してくれないんだ!俺はサーシャの事を、何があっても受け入れる覚悟が出来ているというのに!!」

サーシャの表情がとたんに厳しくなり、眉間に皺を寄せてリムを睨んだ。

「・・・何を言っているの?受け入れる?そんなの無理に決まってる。知ってしまったらあなたは私を軽蔑するわ。何も知らない方が幸せな事もあるのよ!」

サーシャの言葉の意味が、リムには全く理解が出来なかった。

「何を言ってるんだ?サーシャ・・・」

「あなたにはサーシャとしての私を忘れないで欲しい。あなたの中にはいい思い出でいて欲しいから。だから、お願い。何も聞かないで。これ以上私を知ろうとしないで」

「さー・・・」

サーシャは勢い良くリムの身体を押して外へと駆け出した。
その勢いでリムはその場に座り込んでしまう。

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