約束は永遠に
案の定、リリィが15歳の年にとある公爵との縁談が決まる。
リリィより7つ年上の人。
とても優しい男性だった。
親の決めた結婚。
それは侯爵家に生まれたリリィにとっては仕方のない事。
結婚した相手が優しく愛情を注いでくれて、受け入れてくれたことだけが救いだった。
このまま平和な生活が続くのかと思われた。
・・・・あの日までは。
「ご主人様、私のお腹に子が授かったようです」
リリィが妊娠したのは結婚してから2年後、17歳の時。公爵様も大変喜ばれて、更にリリィに愛情を注ぐようになった。
リリィ自身もまた自分のお腹に命が授かっている事、その事がたまらなく嬉しく、毎日お腹をさすってはその子が生まれる時を心待ちにしていた。