下ネタ地獄

「見たんだよ…姉貴と松岡が公園でキスしてるところを…」

泣いた顔なんて見せたことのない姉貴が泣きそうになっていた

「まさか姉貴がヤクザの跡取り息子と付き合ってるとはな!見損なったよ…」

俺は反撃を続ける

「確かにテル君は評判悪いけど…根は優しい子なの!極道の家に生まれたばかりに…みんなから忌み嫌われて…可愛いそうで…」

姉貴は涙を流しながら言った

「別れろよ…」

俺は姉貴を突き放す

「『別れよう』なんて言葉、何回も何百回も言ったわよ!…その度にキスされて、好きになって…」

いつもの姉貴じゃなかった…

ただそこには、恋に悩み弱気になっている女の子が、小さく震えて泣いていた…

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