下ネタ地獄
伝説のレズビアン

『ジリリリリっ!!!!』

目覚まし時計が鳴り、俺は慣れない手つきで目覚まし時計を止める。

姉貴に起こしてもらうのは卒業した。そして俺は初めて一人前の朝を迎えたのだ。少し大人になった気分。

平和な朝を迎えるのは久しぶり。俺は軽いフットワークで階段を降りていく。

朝食を食べて、顔を洗って、歯を磨く。時間に余裕があったので髪の毛にワックスをつけたりなんかもしてみたり。

家族は昨日の事件のことにはあまり触れずに接してくれた。俺もそれが一番だと思う。

俺は自転車に乗り学校にむかう。最近自転車を雑に扱っていたからだろうか…ペダルをこぐとギシギシと今にも壊れそうな音が鳴る。

(油をさせば直るんじゃないか?ギシギシとかギクシャクとかしてるそんな物には油をさせば直るはず…)

俺は自転車をギシギシいわせながら通学路を走る

学校の門を通るぐらいになると生徒の人数が増え、俺を見て苦笑いをしている。そんなに俺の自転車が奏でる不協和音が気に入らないのだろうか…

俺も苦笑いしながら学校の中に入っていった。

教室に入ると、今までに感じたことのない感覚を感じた。なんと教室にいる生徒全員が俺を見ているのだ。

唖然としている俺に同じクラスの男子が話しかけてきた。

『月見!!いや月見くん!!月見くんがヤクザを素手で全員殴り倒して、松岡組を逮捕したんだよね!?』

生徒たちの苦笑いの理由が何となくわかった気がした。

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